
昔は、ヨーロッパへ旅行と言えばパリ、ミラノ、ロンドンが王道でエルメスやシャネルの本店は日本人観光客ばかり、などと言われたことさえあった。しかし最近、フランスのお隣の国・スペインに日本人観光客の注目が集まっているという。
もともとスペインへは毎年周りのヨーロッパ諸国から多くのバカンス客が訪れることで有名。
それは、ラテン特有の時間の流れと燦々と照りつける太陽が日常を忘れさせてくれるからだろう。
今回の特集は日本から飛行機で約14時間、情熱の国・スペインの魅力に迫る。
マドリードはスペインの首都というだけあり、大通りは車の渋滞に加え、歩道を歩く人々も東京同様忙しない。ただそんな大都市に立ち並ぶ建造物はどれも築50年や100年以上のものもありヨーロッパ独特の雰囲気を醸し出している。夜は11時を回っても多くの人が外を歩いている賑わいぶり。それもそのはず、この国のディナーは早くても夜の9時が普通。9時から開店するレストランも数多く存在する。
長い休暇をとって解放されたバカンスを過ごすならやはりスペイン南部、アンダルシア地方がお薦め。
一年を通じて比較的良い気候に恵まれ、ビーチやマリーナに囲まれたこの地域は夏シーズン、多くの観光客で賑わう。歴史的には長年に渡りアラブ民族と戦ってきた背景があり、町のいたるところでアラブ民族様式の家や建造物を目にすることができる。また敵から守る為に高い山の頂上に建てた古城などは今でも残っており、その城下町に並ぶ家は短期間借りて寝泊りすることもできるというから驚き。
アンダルシア地方を訪れたら是非ともサン・ロケという小さな町に立ち寄って欲しい。車が一台やっと通れる程の狭い石畳の道が町全体に張り巡り、真っ白い家が寄せ集まって一つの町ができている、といった感じの日本では到底見ることができない光景を見ることができるから。道が狭い上に坂が急、まるで迷路のような町。住民は50〜60年前まで馬で移動していたといい、軒を連ねる築150年以上の家々には馬小屋も未だそのままに残っている。夜街灯の黄色い照明に照らされたこの町の幻想的な情景は言葉にできないものがあった。
スペインと言えばフラメンコだが、実はフラメンコはアンダルシア地方のジプシーによる文化であってスペイン国全体の文化ではない。また日本人にお馴染みのパエリアはもともとスペイン北部の料理なので南部や他の地域のスペインレストランでは食べられない場合も多い。このようにスペインという国には文化や言葉、歴史に至るまで独自のものを持つ都市や町が数多く存在する。バルセロナの街はまるで一つのアートといった統一感があるし街を歩く人々のファッションもオシャレ。そのバルセロナから車で2〜3時間のところにある公国アンドラはタックス・フリーだから香水や毛皮が破格で手に入ることで有名。
この国各都市それぞれの奥深さに心を奪われ、また足を運びたくなる人が増えているのだ。
白い壁は強い日差しを避けるため サン・ロケの夜はまるで映画のワンシーン スペイン最南部からはアフリカ台陸が見える